秋山瑞人 「龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01」 （電撃文庫）

卯王朝の第十八皇女・月華。
お忍びで街を出歩く少女が闇夜に舞う涼孤の剣技を目撃したとき、二人の運命の輪が回り始める…。
　武侠小説をベースにした新シリーズが始まったらしいと聞き及んだので手を出してみた。ちなみにこれが初めての秋山瑞人。
本編の始まる幾十年前、砦を固める数多の兵をたったひとりで壊滅させた恐るべき剣士──を描いた序章のあまりの迫力に、
こんな濃密な文章を300ページも続まされたらしんじゃう〜〜と慄いていたら、本編はわりと普通の中華ファンタジーかつガールミーツボーイな物語で一安心（でもちょっと残念）。
いいとこのお嬢さんなヒロイン（月華）がひとかたならぬ剣の才を秘めてるあたりが映画「グリーンデスティニー」を彷彿とさせる…とか、剣法の型《五剣五行連環》の詳細はよくわからないけど何だか凄そう（強そう）という雰囲気の出し方は金庸作品っぽいぜーとか思いながら読んでおりました。
読み手を惹き込む語り口と物語展開は、さすがライトノベル界隈で最上級の評価を与えられてる作家。上手いものですなー。
ワタクシ的には深見真「武林クロスロード」と合わせて”武侠ライトノベル活劇”としてｗ 先を楽しみにしていきたい所存。

龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)