支倉凍砂 「狼と香辛料 VIII 対立の町(上)」 (電撃文庫)

『狼の足の骨』の噂を追ってロレンスとホロは港町ケルーベへやって来た。
そこは、交易の中心である三角州を挟んで北と南の商人が対立している町だった…。
コル君が旅の仲間に加わったことで、今までとは違った視点が物語の中に生まれつつあるような。
他の商人とのやり取りでもコルが見て感じてることがあって、それを元に新たな側面を描きだしてみたり、あるいは読者への解説の糸口として使ってみたり。
最初の頃と比べてもストーリー進行はすごくゆっくりなのに、それがあまり気にならないのは、二人が三人になったことによる視線の広がりってのが大きいのかも。
再会した女商人エーブ。さすがホロに”女狐”呼ばわりされるだけあって、ロレンスひとりではとても太刀打ち出来そうにないですな。
終盤の展開にしびれたよ。