小野不由美 「悪霊だってヘイキ!(下)」 (講談社X文庫ティーンズハート)

 廃校に閉じ込められてしまった一行。
夢に出てきた”彼”に導かれるままに、麻衣は霊たちの元へと向かう…。
《悪霊シリーズ》完結編。

 物語前半で廃校での怪異をおさめて、後半はいよいよ謎解き編。シリーズ各所にちりばめられていた伏線を一気に回収していく。
ぼーさんの名探偵っぷりがちょうステキ。ナルの正体と麻衣の恋の行方には驚かされたよ。
ワタクシに本を貸してくれた御仁の「どうしてアニメ版はラストエピソードまでやらないんじゃー!」との叫びにも納得いった。
あれだとどんでん返しのないまま終わったカタチになっちゃうもんねー。

 というわけで、シリーズ全八冊を読了。
オカルトものとしてのどっしりした構えといい、ミステリー的な仕掛け/構成といい、実に読み応えのある逸品でありました。
特に4作目「悪霊はひとりぼっち」以降の面白さは尋常じゃないレベル。
これだけの傑作が今や絶版だというのは、勿体無いなー。
キャラクタは麻衣とぼーさんがお気に入りでした。

悪霊だってヘイキ!〈下〉 (講談社X文庫―ティーンズハート)

悪霊だってヘイキ!〈下〉 (講談社X文庫―ティーンズハート)