石持浅海 「君の望む死に方」 (祥伝社ノン・ノベル)

医者に余命六ヶ月と告げられた日向はある決意を固めた。若かりし頃に殺めてしまったかつての盟友──その息子に自らの命を差し出すことを…。
 殺されることを望み周囲の状況を整えていく日向。
相手の思惑を知らぬままに復讐の機会を窺う梶間。
その場に居合わせてしまった、招かれざる客──碓氷優佳。
物語を動かす三者の静かなる攻防と腹の探り合い。
被害者(になる予定)が事件の黒幕という設定、事件を未然に防ぐために探偵役が暗躍していたり、さらに倒叙ミステリの形式をとりながら事件が発生?するのは最後の最後であるとかの独特のシチュエーションに唸らされる。
年末のミステリ・ランキングでも上位にきそうな逸品でありました。

君の望む死に方 (ノン・ノベル)

君の望む死に方 (ノン・ノベル)