スタニスワフ・レム 「宇宙創世記ロボットの旅」 (ハヤカワ文庫SF)

《無窮全能資格》を有する高名な宙道士──トルルとクラパウチュス。
そんな二人のロボットが訪れる幾多の星での騒動の顛末を描く、宇宙のお伽噺な連作短篇集。
 SFしろーとなワタクシでも大丈夫そうな気がしたので手を出してみた。これが初レム。
星をおさめる支配者たちが押し付けてくる様々な無理難題を天才ロボットがあの手この手で解決(したりしなかったり)するのが話の基本。
ネタの転がし方や傾向は「食卓にビールを」や「人類は衰退しました」っぽいなーと感じる部分があって、
あのへんの系譜を三世代くらい遡ったのがこの「宇宙創世記ロボットの旅」になるのかも。
詩を詠むことのできる機械や人格交換機やら王を誘拐して脅迫したりとか、人の役に立つよりも傍迷惑な事態を引き起こして回ってないか?>宙道士ども。
トルルなんか結構なドジっこさんだし、冷静沈着なクラパウチュスがいなかったら一体どうなっていたことやら…。
ドタバタっぷりが楽しい一作でありました。
竜の存在確率なるうさんくさすぎるハッタリとか、ラプラスの悪魔を想起させるネタがあったりするのも見所の一つ。

宇宙創世記ロボットの旅 (ハヤカワ文庫 SF 203)

宇宙創世記ロボットの旅 (ハヤカワ文庫 SF 203)