古龍 「マーベラス・ツインズ １ 謎の宝の地図」 （GAME CITY文庫）

江湖を騒がせた悪漢達が隠れ住まう”悪人谷”で育った少年・小魚児。ふとしたことから、とある宝の地図をめぐる争いに巻き込まれることになり…。
　金庸に並ぶ武侠小説の大家・古龍の「絶代双驕」が初の邦訳。しかも、藤田香のイラストつきで刊行ということで楽しみにしてたんだけど、期待してた以上に面白かった！
　相手の感情や思考を読み、巧みな演技やブラフを駆使して、スキを突く。腕も立つが、それ以上に頭と口で勝負するという小悪魔系ヒーローな主人公。天真爛漫で自由奔放、弱点らしい弱点は乙女心がよくわかってないことくらい。
そんな小魚児に翻弄されまくる美少女ヒロインたち。
健気で一途な鉄心蘭。烈火の気性をもつツンツン美少女・小仙女。江湖に名高い慕容家のお嬢さま・九妹。
ワタクシ的なお気に入りは鉄心蘭。とはいえ他の二人も捨て難い。小仙女は今のところデレる気配はないもののフラグは微妙に立ったような気がしないでもないし、九妹さんに至ってはあんな恥ずかしい（ネタバレ略）。
女子と戯れるだけじゃなく、碧蛇神君のような怪人と対決したり、武林の名手とも渡り合ってます。ちゃんと冒険活劇だよ！
そして、終いに登場するのが女子人気をかっさらっていきそうなカリスマ美少年・花無缺（かむけつ）。
作品のタイトルから察するに、小魚児と無缺君が双子の兄弟なんだろうなあ。
性格も立場もまるで違う美少年二人が、互いに剣を突きつけあったり、恩讐を越えて手を取り合ったりするのか。ワクワクするにゃー（いろんな意味で）うひひ。
2008年のベスト級になりそうな予感大。


古龍作品の感想：「金鵬王朝 陸小鳳伝奇１」

マーベラス・ツインズ (1)謎の宝の地図 (GAMECITY文庫)