田中ロミオ 「人類は衰退しました」 (ガガガ文庫)

人口減少や科学技術の喪失によって衰退期にいたった人間(旧人類)に代わり、身長10cmあまりの妖精さんが台頭してきた世界。
調停官のおしごとを始めることになったわたし(語り手)は妖精との接触を図るが…。
 甘味と楽しいことが大好きで、冗談のような科学技術をもっていながら非常に忘れっぽかったりもする。妖精の種族習性が実に面白い。
にんげんさんとの交流で生まれるあれやこれやが楽しくて、妖精さんの愛らしさととぼけた味わいにやられまくりなひと時でありました。
お話の随所にSF設定が仕込まれ、粛々と終末世界の様子が描かれていくこともあり、”ほんわか”でちょっと”おかしい”だけではない雰囲気に仕上がっているのも善き哉。

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)