師走トオル 「火の国、風の国物語」 (富士見ファンタジア文庫)

右手には復讐の剣、左手には慈悲の剣──赤い鎧の若き騎士アレスは、民と一人の少女のために……戦場に立つ。
 かの自由騎士*1を彷彿とさせる主人公。
ドワーフの戦士がお供についてたりとか、今どきこんな王道やってもいいんだーと軽く驚いた。
世界観やストーリーは(十数年前の)ファンタジーブーム全盛期のそれに近く、どことなく懐かしささえ感じさせる。
クラウディア様とかエレナとかキャラクタの魅力もなかなかのものだし、戦場で血と恐怖にまみれる新兵の描写等じっくり読ませるところもあって、硬軟のバランスが良くとれた一品であるといえよう。
アレスについている”謎の存在”パンドラに興味を惹かれつつも《風の戦乙女》にちょっとときめきを覚えたワタクシ。
次回で本格的にあいまみえることになるのかな? くふ。

*1:ロードス島戦記」シリーズの主要人物・パーンのこと