金庸 「侠客行 三 侠客島の秘密」 (徳間文庫)

三十年来、武林の名手たちが数知れず向かいながら帰ってきたものは誰もおらず、誘いを断れば一門・幇会皆殺し。
武林の大災厄と恐れられる侠客島への招待状を受け取った石破天は…。
 強烈なキャラクタをもった武芸者たちの因縁/奇縁が錯綜する物語もこれにて完結。
名無しの孤児であった”狗雑種(のらいぬ)”を翻弄した数奇な運命──なぜ彼が石破天と呼ばれるに至ったのか?
謝煙客(しゃえんかく)が久々登場、今まで隠れていた”彼奴”もついに姿を現し、さらにさらに続く波乱の展開。
うへーい、《金烏刀法》の史婆婆と雪山派の間にまさかそんな因縁があっただなんてー。
老いてなお苛烈きわまるその気性。強さだけなら上回っているはずの猛者たちが思わずたじたじになってしまうほどの存在感に、すげえよ史婆さんと呟くほかーありません。
こんな師匠につくことができて石破天はラッキーだった……のよね? …だ、だったに違いありません。だってほら、そのおかげで阿繍(あしゅう)にも出会えたんだし!
武林の大物かと思いきや意外に頼りなかった白万剣がワタクシ結構お気に入りだったり。丁トウさんのアレっぷりも良かったなー。
侠客島の謎に関しては……これだから武芸者なんてものは! とツッコミたい気分でいっぱいの終盤でありました。


感想:
一巻
二巻

侠客行〈3〉侠客島の秘密―金庸武侠小説集 (徳間文庫)

侠客行〈3〉侠客島の秘密―金庸武侠小説集 (徳間文庫)