石持浅海 「心臓と左手 座間味くんの推理」 (カッパノベルス)

那覇空港でのハイジャック事件から数年。
大迫刑事は事件の渦中で出会った若者──通称”座間味くん”と再会し…。
「月の扉」で殺人の謎を解いた”彼”が再び探偵役を務める連作短編ミステリ。
こんな事件があってね……という話から、そこに隠されていた、警察が気付いていなかった可能性を導き出していく。
過激派、新興宗教、在日米兵など、関係者がやや特異な立場/思想にある事件ばかりなのが特徴的。
傾向は「月の扉」よりも対人地雷シリーズの「顔のない敵」の方に近いかも。
事件のひっくり返しとそこから見えてくる人間模様。ほの暗い情念が渦巻いております。うへーい。
ベストは「心臓と左手」かな。でも、これ某作品とネタかぶってるよなあ*1と思わなくもなかったり。


感想:「月の扉」

心臓と左手  座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

*1:メフィスト賞デビューの作家のある作品