霧舎巧 「十月は二人三脚の消去法推理」 (講談社ノベルス)

体育祭を間近にして校内外で相次ぐ不審火。今月の事件は放火犯との対決!?
「私立霧舎学園ミステリ白書」シリーズ第7弾。
うーん、お話としてもミステリとしても薄味なような。
情報が全体的に後出し気味で事件の概要がなかなか掴めず。
解決編直前になっても何がポイントなのかはっきりしないせいか、推理や犯人当てのカタルシスをいまひとつ味わえないまま読み終わってしまったよ。
登場人物紹介(イラスト付き)ではっきり犯人を名指しする画期的な?試みは面白いと思ったんだけどなー。
それと、今回のテーマは”消去法推理”よりも”操り”にした方がふさわしかったんじゃなかろうか。
琴葉の活躍が少なかったぶん、幼女(昨夜子)が駆け回っているのがちょっと微笑ましかった。

「八月」から「九月」の刊行まで一年十ヶ月。「九月」から「十月」まで一年九ヶ月。
このペースだと「三月」(伝説達成)まで残り五冊……あと八年くらいでシリーズ完結するという計算ですね。あははー。
全部出揃ってからまとめ読みした方が登場人物とか関係性を忘れずにすんでいいかもしれぬ。