田村登正 「マルティプレックス 彼女とボクのコミイッタ日々」 (電撃文庫)

現実ではしがない普通の高校生。《アポカリプス》の世界では戦車を操る一兵卒。
ゲームの世界で負った傷が現実の身体に持ち越されることを知った日高勇太郎は…。
 50を過ぎて電撃小説大賞を受賞した「わたしたちの田村のおじさま」こと田村登正せんせ4年ぶりの新刊。
作中ではまだ現実世界からゲーム世界へダイブ!的な書かれ方をしているけれど、続きが出るなら、平行異世界の”もう一人の自分”とのリンクで云々……という展開になりそうな。
《アポカリプス》後半の生死のかかった戦局を前にした勇太郎の逡巡。
死ぬかもしれないという怖さ、積み重ねてきた仲間たちとの記憶、そして逢いたいという願い。
最後にあるメインヒロイン?のイラストにちょっとキュンときたよ。
サッカー部の女子マネが始めた「女子サカつく」の続きも気になる木。