金庸 「侠客行 一 野良犬」 (徳間文庫)

”玄鉄令”をめぐる争奪戦に巻き込まれた孤児・狗雑種(のらいぬ)。
奇縁から武林の奇人・謝煙客(しゃえんかく)と共に行くことになり…。
 山奥育ちで世間のことも武林のことも何も知らない浮浪の少年が主人公。
無知がゆえの純粋さと言動が周囲を惑わせたり誤解させまくるあたりが笑いを誘う。
殺伐とした展開や冷酷な登場人物も多い中での狗雑種くんの暢気さに癒されるぜ。
特に雪山派の女侠客・花万紫(かばんし)さんとの誤解に満ちたやり取りがお気に入りかも。
侍剣(じけん)さんとかメインヒロイン(?)の丁トウさんがこれまた可愛らしくていいんだ。
波乱万丈の物語と萌えなヒロイン。これで面白くないはずがない。
二転三転する主人公の立ち居地。壮大なる人違いなのか、それとも彼の出生に何かしらの秘密があるのか!? ワクワク。

侠客行〈1〉野良犬 (徳間文庫)

侠客行〈1〉野良犬 (徳間文庫)