久住四季 「ミステリクロノ」 (電撃文庫)
時間に干渉する力を秘めた道具──クロノグラフ。
その一つ、リザレクターを持った少女・真理亜と出会った遥海慧は…。
人としての生き方を何も知らない天使の少女。使用者の時間を巻き戻してしまう力。それが引き起こしてしまう歪み。
シリーズ1冊目であるためか、真理亜と慧たちとの関係構築にページの多くが費やされる。
感情を知らず、人に脅え、泣くことしか出来なかった真理亜が少しずつ”人らしく”なっていく様が良い良い。クライマックスでの叫びが心に染みるなあ。
リザレクターをめぐって発生する事件の《誰が、どうやって、何故そうしたのか?》というツボをおさえた推理がミステリ好きには嬉しい。動機には唸らされたぜ。
散逸したクロノグラフは他に六つ。それぞれに違った能力とルールがあるとして…。この後、どんな事件と真相当てが待ち受けているのか、楽しみじゃのう。
- 作者: 久住四季,甘塩コメコ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
- クリック: 52回
- この商品を含むブログ (71件) を見る