月見草平 「姫宮さんの中の人」 (MF文庫J)

才色兼備な生徒会長・姫宮ちとせにある重大な秘密を知ることになった星野くん。
学園中の憧れの君は”外の人スーツ”の賜物で、その”中の人”は超内気なロリ体型娘だった……。
 カルナ、きらほと2シリーズ続けて語り手に女の子を配していた作者の新・主人公は性別:男。
うーん、身勝手な駄目少年っぷりがどうも癪にさわる。月見さん作品にしては随分と魅力に乏しいキャラクターだこと。
とはいえ、外の人/中の人という物語の着想は悪くないし、二面性をもったヒロイン・姫宮ちとせと幼なじみ・神楽結衣の二人の娘っこはなかなかに愛らしく、まあまあ楽しく読めた。
”中の人”の本質や本音がもっと見えてくるようになれば良くなりそうな気配はあり。
 あと、あとがきで「今回ラブコメ挑戦したー」と書かれているのだが、ちょ、ちょっと待った! 「桜乃きらほ」でのツンデレ男を挟んだ微妙な四角関係はラブコメのつもりじゃなかったとでも!?
それとも何か、”女体密着イベントなくしてラブコメに非ず”というMF文庫J規格でもあるのかーっ。

姫宮さんの中の人 (MF文庫J)

姫宮さんの中の人 (MF文庫J)