妹尾ゆふ子 「異次元創世記 赤竜の書」 (角川スニーカー文庫)

辺境に住む少年・ジェンは代々受け継がれてきた《竜使》として育てられていた。
そんな少年の村で剣盗人の裁かれることになり……。
 1995年刊行。
「真世の王」とともに入手出来たので、前日譚であるこちらを先に読了。
村に住む他の若者はみな羊を追ったり成人の儀を終えたりしているのに、なぜ自分だけが居もしない竜について学ばなければならないのか?
役目を押し付けてくる祖父や同世代の子たちとの軋轢にもがいていたジェンが、不思議な雰囲気をもつ《物語り師》イーファルや剣盗人のフィアラスと出会うことで、自身の運命と対峙することになる。
力を秘めた古い言葉、銀の声持つ人々《ラハナンァル》、そして《本》と《竜》……。
ハイ・ファンタジー*1な世界語りと雰囲気が魅力的。
イラストは弘司さん。ファンタジーブーム在りし頃を思い出させる。

異次元創世記―赤竜の書 (角川スニーカー文庫)

異次元創世記―赤竜の書 (角川スニーカー文庫)

*1:指輪物語』的なと言い換えるのも可