深見真 「武林クロスロード」 （ガガガ文庫）

双天武王を目指して旅に出たリョウカは最強の武侠・シュンライと出会い…。
民への暴虐と搾取のかぎりをつくす朝廷に叛旗を翻す者──女武侠たちの大活躍。大陸系ファンタジー開幕(？)。
　久方ぶりに深見汁に手を出してみる。初ガガガ文庫しました。
…おお、これは凄い。ことあるごとに互いの肉体を貪りあう女傑たち。
主人公のふたなりに《龍鳳双具》なる尊称をつけたり、敵方の女将軍を媚薬を使って陥落させたりと、盛り込まれるエロスの数々は二次元ドリーム風味。
それを美少女マンガの１シーンと見紛うばかりの挿絵つきでやっちゃったよ。
うむむ、これはまさに一般向けとジュブナイルポルノの境界をたゆたうマージナルな一品といえましょう。
　作品としてはいわゆる《武侠もの》？ そちら方面に詳しくないワタクシは映画「ＨＥＲＯ（英雄）」を思い出してみた。
豪快にして大味。エログロな部分にばかり目がいきがちになるけど、キャラクタやお話そのものも面白うございました。
一騎当千、どころか三万人の軍隊をたった一人で壊滅させかねないシュンライさんのさらに上をいく強者がいたりするのだろうか。なんておそろしい世界。
リョウカとシュンライの関係って「三国志」の劉備と関羽っぽいよね。オンリン＝張飛。
続きは《桃園の誓い》*1から始めましゅう。

武林クロスロード (ガガガ文庫)

*1:もちろん乱交ぽーりーですが何か？w