田口仙年堂 「吉永さん家のガーゴイル 12」 (ファミ通文庫)

大学受験を間近に迎え、吉永和己の高校生活も残りわずかとなった。
演劇部のことから桃と口論になってしまった和己は、その桃と友人の範太が寄り添っているところを目撃してしまい…。
 お互い好意を寄せながらもいまひとつ進展していなかった和己と桃に一波乱。将来への夢と友情とすれ違う想いに惑う和己くんが愛らしい。
シリーズ最高傑作が6巻と7巻なワタクシとしては和己と桃のラブ話が読めるだけでおなかいっぱい。やー、「吉永さん家」でこんなストレートな恋模様が拝めるたあ、豪気だねえ。
正直言ってガー君や周囲の者たちが気を回し過ぎじゃないかなと感じる部分はあるのだけど(そういうことはもっと当事者にまかせて、そっと陰から見守るべきのような)
まあ、家族や隣人の苦悩を放っておけないのも人情か。
百色がチャックにあっさりと投げ飛ばされる場面に驚き。おお、さすがバリツ!