大迫純一 「神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック」 (GA文庫)

神曲楽士だった老婦人の殺害現場で目撃された精霊。それはかつて被害者と契約関係にあった…。「黒のポリフォニカ」シリーズ4作目。

若い女性の神曲楽士と契約・解消を繰り返す精霊・レオンガーラが登場。マティアにちょっかいを出され動揺するマナガが微笑ましい。
共に過ごした女性たちとの記憶に囚われ続けるレオン。長い時を生きる上級精霊の悲哀。
一人の元に長く留まっていられないのは、深入りしすぎないよう、いずれ絆を失ったときに心に刻み込まれる傷を抑えるためであったのか…。
今回は”現場の痕跡と凶器の行方”にミステリな妙味あり。
巻を重ねてだいぶストーリー寄りの構成になってきた黒ポリだけど、そのへんは無くさないでほしいなあ。
さて、現在放映中のアニメ版では黒コンビの出番はあるのかしら? OPで1カット出てくるんで、ちょっと期待している。


シリーズ感想:
「インスペクター・ブラック」
「サイレント・ブラック」
「プレイヤー・ブラック」