田代裕彦 「セカイのスキマ 3」 (富士見ミステリー文庫)

山の中にある廃校で夏休み合宿をすることになった「四つ辻の会」の面々。神隠しの伝承が残るこの地で、また一人…。
 海で遊んだり肝試しでドッキリなイベントがあるにもかかわらず、あまりにも淡白な小澤くんの反応のせいかお色気な雰囲気がもう全然足りてない。
自覚はあるみたいだけど、ストイックすぎやしないかい、君。ラインハルト陛下じゃあるまいし。
今回扱う怪異はカミカクシとカクシガミ。ピシッと締まったロジカルな”妖怪退治はいつも通り。
怪異の発生がちゃんと恐ろしげに描かれてるのも良ったし、宮守みこの抱えた過去もなかなかに衝撃的だった。
他者に興味がない小澤哲と他者を視界にいれようとしなかった宮守みこ、主役の二人ともが歪みを抱えてしまっていたがゆえの……。うあああ。
シリーズ継続が決まってない現状でのこの幕引きはきつい。
お願いだから続編をー、救いのある新章をー、悲しい結末のままにしないでくれよう。


シリーズ感想:
1巻
2巻

セカイのスキマ〈3〉 (富士見ミステリー文庫)

セカイのスキマ〈3〉 (富士見ミステリー文庫)