船越百恵 「放課後ローズ 警視庁第七捜査資料課」 (カッパノベルス)

不審な墜死を遂げた父娘。三年前に起こった一家三人惨殺事件と被疑者の死。一連の事件をつなぐ”放課後ローズ”という言葉の意味するものは…。
 百恵たん1年10ヶ月ぶりの新刊は、元・警視総監を祖父にもつお嬢様警察官なヒロイン・鷺ノ宮瑠璃を中心に、金髪ヤンキーと小説家志望の巨漢を加えた能天気トリオが
興味本位と正義の心で(ついでに壊れたミニパトの修理費をせしめるために)事件を追う、新感覚?警察ミステリー。
第七捜査資料課の愉快な仲間たち、といった風情のキャラクタはいかにもこの作者らしい脱力っぷり。
人型に凹んだミニパトを駆って事件捜査にレッツゴー!というコミカルなんだかシュールなんだかよくわからない序盤の変なノリが楽しい。
そんなおバカな展開で全編通してくれればなお良かったんだけど、終盤は台詞や行動が妙に真面目ぶったものが多くなってしまったのが残念。
鷺ノ宮瑠璃の傍若無人っぷりが痛快でよござんした。


既刊感想:
「眼球蒐集家」
「名探偵症候群」

放課後ローズ  警視庁第七捜査資料課 (カッパ・ノベルス)

放課後ローズ 警視庁第七捜査資料課 (カッパ・ノベルス)