多崎礼 「煌夜祭」 (C*NOVELSファンタジア)

廃墟となった館に集いし語り部。ふたりだけの煌夜祭。語られるのは魔物と人の物語…。第2回C.NOVELS大賞《大賞》受賞作。
王島イズーを中心に三重の輪になって広がる十八諸島。世界を流浪する語り部たち。人を食べる不死の魔物。島主の家系。そして、煌夜祭…。
1つ1つ語られていく話を読みすすめるうちに作品世界の輪郭が明らかになっていく。魔物たちの秘める謎と悲しい物語の果てに待ち受けているもの。
構成の美しさが際立つ良作ファンタジーでありました。各エピソードが結びつき二人の語り部に収束していくラストはなかなかに感動的。
児童文学(ジュブナイル・ファンタジー)の方面で紹介されればもっと高い評価を受けるんじゃないかなあ。

煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)

煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)