歌野晶午 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 (講談社ノベルス)

「殺したい人間がいるから殺したのではなく、使いたいトリックがあるから殺してみた」──
ネット上での推理クイズと問題提出のための実際の殺人を繰り返す狂気のゲームの行く末は…。
ミッシングリンク、密室トリック、アリバイ崩し、etc... ゲームのために仕組まれたこれら事件の奇抜で稚気にあふれたトリックの数々に呆れ半分・感心半分で読み進め、待ってましたラストの急展開。
あー、うん、やっぱりそう来たか……ぶほっ! これは吃驚! ……え、え? ……うーん、確かに予想の斜めをいったオチではあるものの、読み手を捻じ伏せるような決め手には欠けるような…。
アンモラルな設定さえ乗り越えられれば面白く読めそうだけど”本格ミステリ”オタにとっては何とも評価に困りそうな”2007年の鬼っ子ミステリ”候補の怪作でありました。

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)