谷原秋桜子 「龍の館の秘密」 (創元推理文庫)

立っているだけで一日二万円のバイトに飛び乗った美波。
今回は龍の彫刻やトリックアートが並ぶ”龍の館”にて殺人事件に巻き込まれることに…。
 表題作に短編「善人だらけの街」を併録した復刊2作目。
龍の館の秘密」は5年ぶりの再読でござい。
所々で見せるかのこ嬢ちゃんのぶっ飛んだお嬢様っぷりがナイス。美波と直海とかのこ、親友三人組のやりとりが微笑ましくてよござんす。
丁寧にはられた伏線、なぜ被害者は助けを求めなかったのか?のロジックに物理トリック、しっかり組み立てられてるよなあと改めて感心。
もし、このシリーズが順調に続いていれば、富士ミスの”三大ミステリ”の一つにあげられる日がきたんじゃなかろうか。
「善人だらけの街」 おおおおお、まさかあの脩矢が…とニヤニヤしまくりな読後感。
それにしても、死体運びに托鉢に臨床治験、激アルバイターとはいえ美波さんもっと仕事を選んだほうがいいと思います。
さあ、次はいよいよ待望の新作だ!

龍の館の秘密 (創元推理文庫)

龍の館の秘密 (創元推理文庫)