大迫純一 「神曲奏界ポリフォニカ プレイヤー・ブラック」 (GA文庫)

雪の山荘で突然おきた精霊爆発。大学生5人組のなかに犯人が!? 居合わせたマナガとマティアは爆発の真相を調べ始めるが…。
 今回は倒叙じゃないのか。雪の山荘でクローズドサークル。もしかして本格? 本格? と、ワクワクしながら読み始め。
特異な世界設定──神曲とか精霊を《館もの》の枠組みに乗せたプロットにほうほうと感心。
ハードボイルドで重みのあるマナガの台詞が相変わらずいい味出していて、後半の派手な展開と爽やかな締め方にうまいことつながってるなーという感じ。
大学生たちそれぞれに含むところがあり対立したりしながらも…ってところがよござんした。
これまでほとんど感情の揺れを表に出してこなかったマティアが今回やたらに可愛らしい様子を見せてくれるのも善き哉。
カラー口絵の料理してる姿がたまらなく可愛いですねい。「SHI-NO 愛の証明」と並ぶ、2006年「二大おさんどんイラスト」として表彰しませう。


シリーズ感想:
「インスペクター・ブラック」
「サイレント・ブラック」