ピーター・ディキンスン 「キングとジョーカー」 (扶桑社ミステリー)
英国王宮を騒がす悪戯の数々。仕掛け人・ジョーカーの正体とその目的とは!?
主人公は王室一家の末娘であるルイーズ王女。
別にツンデレなわけでもないのに、イメージが「ゼロの使い魔」かつ釘宮ボイスで上書きされてしまうアタクシのオタク脳にまず自己ツッコミをいれておかねば。
おかげで王女殿下が妙に可愛く思えてしょうがありませんでした。オタク脳万歳!
いや、そんなことは別にしてもルイーズの聡明にして健気なヒロイン像はかなりいい線いってるよね。
両親への愛情と距離感、王女として振舞わねばならぬ責務とその仮面で覆い隠す本当の自分、細やかに描かれるルイーズの心情描写が素晴らしい。
最初は些細な悪戯だったのが次第にエスカレートし、ついには殺人事件まで発生。
国王一家の抱えるスキャンダラスな秘密とあいまって中盤以降の面白さはかなりのもの。
王宮の育児係を長年務めてきて、寝たきりになった今でもルイーズの親愛なる相談相手になっている老女・ダードンの存在感が物語のいいアクセントになってました。
- 作者: ピーターディキンスン,Peter Dickinson,斎藤数衛
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 文庫
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