上月雨音 「SHI-NO 愛の証明」 (富士見ミステリー文庫)

爆弾の仕掛けられたデパート内に閉じ込められた”僕”と志乃ちゃん。逃げ遅れた者の中に犯人がいる!? シリーズ4作目。
今回のミステリ仕様は閉鎖空間内でのフーダニット(犯人当て)。
何気ない会話や状況描写の中に犯人特定のための伏線を紛れ込ませる手並みはなかなかのもの。
相当気の抜けた読み方をしていたのか、単純なミスリードにもまんまと引っ掛かる始末で、途中まで全然的外れの人物を犯人だと疑っておりました。たは。
富士ミスに”ミステリー”を夢見る数少ない?ラノベ・ミステリ愛好家の一人としてはそのへんをしっかり評価しておきたいところ。
志乃ちゃんと”僕” 2人の絆を描く物語としては今回おおきく前進。いつの間にこんなにラブラブになっていたんだ。
いや、単に今まで表に出てこなかっただけで、志乃ちゃんの方はずっとそうだったのかも…。
事件の最後からエピローグにいたる流れはグッときまくりでした。
1巻の頃からついていた《純愛系ミステリー》という謳い文句がようやく実を結んできたような感じ。今後も楽しみだなあ。
あと、新キャラのドジっ娘ねえちゃん可愛かったざんす。

SHI‐NO―愛の証明 (富士見ミステリー文庫)

SHI‐NO―愛の証明 (富士見ミステリー文庫)

シリーズ感想:
「黒き魂の少女」
「アリスの子守唄」
「天使と悪魔」