上遠野浩平 「ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟」 (電撃文庫)

触れるものを燃やし尽くす少女。《世界の敵》である彼女にとっての、唯一の特別な存在…。
 「ブギーポップ」に以前ほどの輝きを見出せないのはなぜか? 1.作品の質が落ちた。 2.「ブギーポップ」的なものに心動かされなくなった。 3.フォロワーの方が魅力的。
まあ、今も変わらず上遠野浩平大好きという人もいるわけで、ってことは読み手たるわたし自身の嗜好の変化が主な理由なのか。
母さん「パンドラ」に感じたあの昂揚感は一体どこへ行ってしまったのでしょうね…。
いやま、この「オルフェの方舟」が読んでてつまらないってわけではないのだけど。
きっかけや理由はどうあれ手に手をとりあうことを望んだ2人の姿がなかなかに切ないし、相変わらず情け容赦のない死神が素敵。