石持浅海 「顔のない敵」 (カッパノベルス)

デビュー前「本格推理」に投稿採用された作品を含む”対人地雷ミステリー”短編集。
ときに殺害トリック、ときにストーリーの主題として扱われる対人地雷。
目を瞠るようなロジックや意外な展開にはやや欠けるものの、ミステリの題材としての目新しさもあって全篇興味深く読むことが出来た。
本格ミステリ04」では正直芳しい評価を与えられなかった「顔のない敵」も、この連作の中で読み返してみると表題作にふさわしい一品だなーと納得の出来。
これから石持浅海を読んでみようという人には恰好の入門作品となりそう。読みやすいし。
特に印象良かったのは「地雷原突破」と「顔のない敵」。
それと、ボーナストラック的短編「暗い箱の中で」もいろいろ無茶な部分はあるけど面白かった。

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)