トニー・ケンリック 「リリアンと悪党ども」 (角川文庫)

詐欺師まがいの機転と演技力を買われ”若き億万長者”を装う羽目になったバニー。
その計画の目的は娘役の少女・リリアンをテロリストどもに誘拐させること…!?
 笑えて、ハラハラドキドキ出来て、読後感はすっきり爽やか。クライム・コメディの傑作という噂に違わぬ一品でした。
愉快な登場人物たちとテンポのいい展開が◎。
特に主人公バニーのお調子者っぷりと口八丁で相手を出し抜こうとするキャラクタが素晴らしい。
家族を装って日々を過ごすうちに次第に親愛の情がわいてきて、しまいには娘のために命を賭けるバニー。
これ、ハリウッド映画になってたりしないのかな? 映画版あるならぜひ観たい。
あと、思ったよりもリリアンの見せ場が少なかったのはちょっと残念。
九歳の少女が周囲の大人を振り回しまくる展開*1を期待してたのになあ。

リリアンと悪党ども (角川文庫)

リリアンと悪党ども (角川文庫)

*1:遠藤淑子「狼には気をつけて」のアレクみたいなー