ロナルド・A・ノックス 「陸橋殺人事件」 (創元推理文庫)

ロンドン郊外の片田舎でゴルフ三昧にふける紳士達が発見した墜落死体。
見上げれば鉄道の走る陸橋。自殺? それとも他殺? 素人探偵の推理と捜査の先に待つ真相は…。
 ミステリ者には「ノックスの十戒」でおなじみのノックス先生、実作を読むのは初めて。
フェアプレイのための十カ条なんてものを言っちゃうくらいだから、さぞかし堅苦しくてガチガチの探偵小説が出てくるのかと思いきや…。
んー、意外にくだけた作風というか、探偵役の繰り出す推理と真相とのギャップで読み手を唖然とさせ「えへへーやったったー」と作者ニンマリみたいなっ。
状況を二転三転させていくやり口はなかなかに痛快かも。ラスト間際の告発の顛末は明らかに悪ノリ気味でアタクシ噴きました。
某「愚者のエンドロール」を彷彿とさせるなあ…と感じたりもしたんだけど、それはたぶん今作の立ち位置がバークリーのそれに近いからなんだろうな。


陸橋殺人事件 (創元推理文庫)

陸橋殺人事件 (創元推理文庫)