カーター・ディクスン 「爬虫類館の殺人」 (創元推理文庫)

内部から目張りされた密室で動物園の園長がガス中毒で死んだ。
状況から自殺かと思われたが、その部屋でともに死んでいた蛇(ペイシェンス)がそれを否定する。
彼がペイシェンスを殺すはずがない……これは殺人なのだと。
 ははあ、大山誠一郎を世に知らしめた短編*1のタイトルの元ネタってカーだったのかー。全然知らなかったよ。
冒頭いきなり大トカゲに追いまわされるH.Mが笑える笑える。
中期以降のヘンリー卿の登場シーンは毎回ドリフを見ているかのようざんす。
目張り密室の解そのものはたいしたこっちゃないんだけど、真相が目の前にあったにも関わらずそれに気付かせないミスリードの巧みさに感嘆させられました。
フーダニットとしての伏線の張り方もしっかりしてるし、若い2人のラブロマンスも善き哉。

爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)

爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)

*1:「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」