うえお久光 「シフト II -世界はクリアを待っている-」 (電撃の単行本)

眠りに落ちると”ファンタジーRPGのような”世界へシフトするようになってしまった少年少女たちを描くシリーズ2作目。
今回の話は現実世界でのあれやこれやが中心。物語の深度がさらに深まった感じ。
あちらの世界でのラケル……魔王と呼ばれた存在も、周囲との距離感に悩み、感情と思い込みに突き動かされる一介の高校生にしか過ぎない現実。
シフトを通してつながる(ことを知っているのはラケル=赤松だけなのだが)彼らの関係と葛藤が実に”青春ラノベ文学”してて良ござんした。
最後の方、赤松くんが高嶋さんに投げかける台詞にゃ、くうぅぅぅぅっっと身悶えせずにはいられませんて。
あちらの世界で培ってきた想いや情がこちらの世界での物語に反映し、それがまたあちらの世界での一つの決断につながっていく…。
悪魔のミカタ」と比べて人によってかなり評価の分かれる作品なのだけど、わたしは傑作だと思っておりますよ。
うえお久光版「ロマンシング サガ」とか書いてくれないかと熱望するくらいに。


感想:
1巻