マイクル・ムアコック 「メルニボネの皇子 永遠の戦士エルリック1」 (ハヤカワ文庫SF)

エルリックが魔剣ストームブリンガーを手にし旅路に出るまでを描く「メルニボネの皇子」。
エルリックは神聖乙女を救うため夢盗人とともに夢の世界へと赴き…「真珠の砦」。
二編を収録したエルリック・サーガ第一弾。
いつかは読みたいなあと気にはかけつつ、いつの間にか書籍自体が入手難になってしまった……なんて作品が誰だってあるだろう。
リッパーさんにとってはその1つであったエルリック・サーガが今年めでたく復刊。
となれば読むしかないでしょう。 読んでみた! 面白かった! 十代の頃に読んでいればきっと至玉のファンタジーとして心の殿堂入りをはたしていたに違いない。
強さと儚さ、正義と狂気の二面性を一身に背負った主人公エルリックの姿や、重厚な世界観がとにかく印象深い。
慣れ親しんだ和製ファンタジーと比べるとさすがに読みにくいし、敷居が高いのも否めなかったりはするんだけれど、
剣魔法ファンタジー好きなら一度はムアコックの世界を味わっておかなきゃなあと思わせるにたる作品でありました。
特に「真珠の砦」の衝撃的なラストには呆然。
まさに魔剣は魔剣であったということか…。