深山森 「ラジオガール・ウィズ・ジャミング」(電撃文庫)

情報統制されている情勢下、街の人たちをつなぐのは小さなコイン型ラジオと、そこから聞こえる少女の声だった…。
表紙や帯だけを見ると”深夜の街を駆ける少女と海賊放送”というキャッチーな部分ばかりクローズアップされているのだけど、
ストーリーそのものは結構シリアスで、戦争の爪痕とそれからの復興にかける人たちを描くことが中心。
戦争による荒廃と復興。軍人たちが抱く想い。平穏の中に忍び寄るテロリズム
群像劇な書き方のせいで物語の視点が分散されてしまい、ヒロインの描き込みが若干物足りないなあってのはあるものの、
話は面白いし、最後はしっかりと感動に落としてくれるなかなかの良作でした。
レコリスにお好きなラジオパーソナリティの声をあてて読むと面白さ倍増かも。
わたしゃもちろん田村ゆかりで読みましたともさ。ずっきゅーん(違