岩久勝昭 「うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下」 (富士見ミステリー文庫)

桜の下で出会った女の子に僕は恋をした…。古い学寮を舞台にしたお話。
タイトルやイラストの雰囲気からベタ甘のラブ話なのかと思いきや、意外や意外、
日々の中に紛れ込むちょっとした不思議とその謎解きを積み重ね、最後にヒロインの抱えてる苦悩にケリをつける、”プチ”日常の謎系+青春ミステリーな一品でありました。
残された資料を読み解く部分もあって、作品の構造は米澤穂信氷菓」に近いものあり。
いろいろと事態をひっかき回してくれるお姉ちゃんキャラが良ござんす。
正直、清楚系ヒロインな瀬名たんよりも鷹姉の方が存在感がありそうな…w
 ところどころで情緒感いっぱいの描写がまじる一人称は合う人には合うだろうし、雰囲気も現代ラブコメというよりは一昔前の少女マンガといった風情なので、そういうのが好きな人にはオススメ。
ある意味、非常に”富士ミスらしい”富士ミス作品と言えるのかも。