田代裕彦 「セカイのスキマ」 (富士見ミステリー文庫)

彼岸と此岸の領域をおかすもの、怪異の専門家である”四つ辻の会”のもとに、家族の死にザシキワラシが関わっていると訴える少女が訪れ…。
田代氏の新作は学園伝奇ミステリーな一品。
小動物じみた眼鏡っ娘ヒロインと頭のきれる主人公の関係がなかなかにくすぐったい感じの出だし。
事件の謎をもっともらしい論理で解体しつつ、襲いかかる怪異と対峙する、憑き物落としミステリとオカルトの二段構えな物語も面白い。
どっちつかずになっちゃうのは困るけど、今回くらいのバランスだったら悪くないなと。
今作のプレストーリーにあたる「彼岸・此岸 アチラ・コチラ」もそのうち再読しとこ。