おかゆまさき 編 「撲殺天使ドクロちゃんです」 (電撃文庫)

 電撃文庫で活躍中の作家を中心とした豪華執筆陣による「ドクロちゃん」トリビュート短編集。
ドクロちゃんの世界とキャラクタを借りつつも、それぞれの作家の持ち味が出ている?内容になっていて、なかなかに興味深い。

 高橋弥七郎 ドクロVSザンスのバトル描写や語彙の使い方に唸らされる。なるほど「シャナ」もこんな感じなのかしらん。桜くんのツッコミぶりが原作のテイストに近いのも○。

 築地俊彦 ジェノサイドモード起動。ぱんつはいてない血まみれ天使な挿絵が欲しかったかも。

 鎌池和馬 学園異能ドクロちゃん? 原作準拠のネタを引っ張り出して、かつ原作者には向いてなさげな手法で料理した逸品。無茶な作品もある中では何となく埋もれそうなんだけど、パスティーシュとしての完成度は非常に高い。

 ハセガワケイスケ ポエットな文章がとにかく目を惹く。作者のカラーが出ているという点ではこれが一番。白い死神がゲスト出演してもよかったのに。

 谷川流 メタメタな手法が確かに笑いを誘うのよ。でも、最低だな!谷川流w。

 水島努 黒塗りマジック。

 成田良悟 それまでの6篇を再構成し、てんでばらばらに書かれたはずの短編群に一本芯を通してしまうかのような展開が素晴らしい。後出しの強みではあるんだろうけど、いい仕事してる。

 時雨沢恵一 最後を締めるのは気の抜けた掛け合いコント。はー、脱力、だつりょく。

 ベストは鎌池和馬かなー。ハセガワケイスケ成田良悟のもよござんした。
それから、ビジュアル面でも多くの絵師が参加してるんだけど、しゃあ氏の 白濁まみれ 木工ボンドまみれなドクロちゃん美少女文庫のカラー口絵なみにエローいエローい。