東亮太 「マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号」 (角川スニーカー文庫)

 超能力少女に巫女に変身ヒーロー、果てはロボット乗りから妖怪まで、その身に特殊な属性を背負った問題児ばかりが集められた1年乙組で巻き起こる事件を描いた学園ミステリー。
各所で「ネギま!」形式だと言われている本作だけど、「ネギま!」未読なリッパーさんには世界の中心に涼宮ハルヒの影がいまだ見えずな「高浪藍子の憂鬱」という印象を受けたり受けなかったり。
きっと、乙組に変なのをいっぱい集めた”何者かの意思”が存在するに違いねえ。
 ”操り”テーマのミステリーモドキな終盤の展開に思わず「後期クイーン問題だよ! ドクロちゃん」と叫びつつ読了。うむむ…。これは、ライトノベルの手法を使った似非ミステリーとして評価できなくもないかなあ…、無理矢理。
 1巻を読んだかぎりでは、絶賛するほど面白くもつまらなーいと文句をつけるほどでもない、というのが正直なところ。ただ、こういう作品は巻を重ねて作者と読者の双方がキャラクタへの愛着を培っていくことで格段に面白くなっていくはずなので、1巻で見切るには惜しい…気もする。
クラスメイトの女の子とフラグをたてまくる”ハーレム”属性(断じて”女難”などではない!)の倉時考助をメインにすえた超展開ラブコメとか、弥生雛世を幼なじみ限定”世界の読み替え能力者”として「目指せ!幼なじみ100万人、やっちゃっちゃおー」SFとか、そんな話が読めそうならシリーズ追いかけるのも悪くないかなあ。
とりあえず2巻は読んでみよう。