高殿円 「カーリー 〜黄金の尖塔とあひると小公女〜」 (ファミ通文庫)

第二次大戦前夜の英国領インドを舞台にした物語。
時代背景が近いこと、舞台に対して主人公が異国の者であること、激動する世界情勢の波に少年少女が翻弄される(ことを予感させる)展開といった点が桜庭一樹GOSICK」とのつながりを想起させてくれる。
かたやライトミステリ、かたや名作劇場風ラブストーリーで、お話の方向性はまた微妙に違うんだけども、非常に近しい雰囲気を感じました。
GOSICK」と「カーリー」ついでに「平井骸惚此中ニ有リ」あたりまで含めて”同時代の別の場所の物語”として位置づけてみるのも面白いんじゃないかなあ。
少女たちの友情と愛情、そして成長を描く一大ロマンとして今後に期待。
シャーロットとカーリーの両想いなんだか微妙にすれ違っているんだかわからない関係の行方が気になる気になるー。


他作品感想: 「銃姫 1」
「王の星を戴冠せよ バルビザンテの宝冠」
「永遠はわが王のために ミゼリコルドの聖杖」