米澤穂信 「夏期限定トロピカルパフェ事件」 (創元推理文庫)

シリーズ2作目。<小佐内スイーツセレクション・夏>をめぐる甘味と事件と推理の夏休み。
 甘いもの好きで小動物然とした外面に隠された内には危険な狼がひそんでいる。
そんなヒロインにうっかり惹かれてしまったら必ずどこかで手痛いしっぺ返しがやってくるに違いねえ。
小佐内さんってホントに萌えキャラなのー? という疑問を前作時から抱えていたリッパーさんとしては今作の流れはすんなり受け入れられたんだけど、
結構ショックを受けた読者さんとかいたりするんだろうか。
理を説くことを何よりも優先してしまう小鳩くんの傲慢さとその苦すぎる結末がたまらないなあ。
それから、これは小市民シリーズ版「愚者のエンドロール」だ、とも思いましたよ。
ミステリ好き、ライトノベル好き、双方の読み手を満足させる非常に完成度の高い逸品じゃあないかな。


感想:「春期限定いちごタルト事件」(「もえたん」第10回)