霧舎巧 「名探偵はどこにいる」 (原書房ミステリーリーグ)

「名探偵はもういない」の事件から20年。後動がかつて手がけた事件を再調査することになった今寺は…。
 主人公の初恋話の顛末や作者のロマンチストっぷりが如実に表れた恋愛模様に関してはなかなか小綺麗にまとまっていて、
リッパーさんの脳内読書会にて 「恥ずかしい恋愛禁止」「えー」「ぶいにゅー」 というやり取りがあったりなかったり。
それなりに面白かったんだけども、後動の名にこだわりすぎるお話にはいまいちついて行けずじまい。
それほど尊敬されるほどの人物って感じがしないんだよなあ。
「あかずの扉研究会」シリーズでも、好きなのはごどーさん*1じゃなくてナルナルだしー。
ミステリとしても霧舎作品の中ではわりあい淡白な印象でした。
うーん、隠れキリシャタンとしてはもう少し濃いめの霧舎を所望ぞ。
前作の展開をネタバレしてる部分もあるので、本作に合わせてノベルス版の出た「名探偵はもういない」からどうぞ。



感想:「霧舎巧 傑作短編集」
「九月は謎×謎 修学旅行で暗号解読」
霧舎巧 講演会レポート

*1:今作の後動警部補とは別人、っつーか親子