石持浅海 「セリヌンティウスの舟」 (カッパノベルス)

生死をともにし、強い信頼関係で結びついた6人の仲間。
そのうちの1人が自殺した。彼女の死の意味とは…。
友を信じたいと思うことと疑ってしまうことへの懊悩を描いた本格ミステリ
他人の行動や心情を勝手に推し量ってそれを推理の論拠にするってあたりは、西澤保彦の諸作品とあまり変わらない気がするのに、読んでていまひとつピンと来ないのはなぜなんだろう。
解釈の切り開き方・飛躍のさせ方の面白味の差なのかなあ。
ディベート型のミステリとしてはまあまあの出来だとは思うんだけど、「扉は閉ざされたまま」で描いたそれよりもさらに石持臭全開な動機づけやラストにうえー気色悪ーと思いつつ読了。


感想:「月の扉」ほか
「扉は閉ざされたまま」