田口仙年堂 「吉永さん家のガーゴイル 9」 (ファミ通文庫)

1945年、戦争の只中にあった時代。ガーゴイルに託されたもの。そして、守れなかったもの…。
4巻の誕生編に続くガーゴイル過去編、その前編。
 戦時の風景に戸惑う双葉。感情を押し殺して戦地へ向かう喜一郎、それを見送るユキとイヨ。
吉永さん家のガーゴイル」というある種おもちゃ箱のような世界で”戦中の日本”という非常に重いテーマをいかに描いていくのか。
厳しい情勢の中でも明るさを失わない双葉に少し救われるけれど、後編は辛く苦しいお話になるんだろうなあ。
その中でガーゴイルと双葉は何を見出し、何を思うんだろうか。
後編を坐して待つ。