「狼と香辛料」 支倉凍砂 (電撃文庫)

第12回電撃小説大賞(銀賞)受賞作。

ヒロインの狼少女・ホロがすこぶる魅力的。
ありんす口調に獣耳といったわかりやすい部分につい目がいきがちになるんだけど、ホロの魅力の本質はその賢さと気高さにあり。
主人公・ロレンスとの会話や態度のはしばしから立ち現れてくるホロという少女の姿が、
うら若き美少女の姿を取りつつも中身は数百年を生きてきた賢狼という設定に血肉を与えていく感じなのが素晴らしい。
”かわいい”とか”萌え”とは違った意味でここまで魅力的に描けてるキャラクタなんてそういない。
行商人ファンタジーという毛色の変わった物語も新鮮で面白かった。

イラストには若干不満あり。ホロは良いものの、ロレンスが優男過ぎでしょう。とても20代半ばの年季を重ねた行商人には見えん。