「緑のカプセルの謎」 ディクスン・カー (創元推理文庫)

観察者を欺くために仕組まれた実験劇。その最中に演者が毒入りカプセルを飲まされ殺害されるという事件が発生し…。
 殺人の舞台となった実験劇そのものにいくつもの心理的な仕掛けがはりめぐらされていて、
それは一体なんだったのか? さらに実験を利用した犯人の手段とは? という謎の二重構造にワクワク。
犯人がやったことよりも被害者の実験の方に感心しちゃいました。
ミステリとしてはそこそこ面白いんだけど、フェル博士の”毒殺者”論が意外につまらなかったり、
ロマンスにいまいち感情移入出来なかったりと、カー作品にしてはミステリにプラスαの楽しさがちょっと弱かったかなーと。