「SWEET SWEET SISTER」 J・さいろー (コアノベルズ)

眼鏡っ娘でいじめられっこの女子中学生と小学生の弟、セックスと恋と胸の痛みに彩られた一夏の物語。
読んでいる間に脳裏をよぎったのは「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」。
両作品の共通点は”不器用な13歳の少女”がヒロインだというくらいで、話の内容が似通っているわけでは全然ないんだけど、
何かどこかで繋がってるような気がしてならなかった。
 姉の可奈子と弟の悠樹、可奈子の友人たちも絡んで繰り広げられるセックスの数々は、
年端もいかない少年少女たちの性的好奇心や鬱屈のはけ口としての行為であるがゆえの痛々しさがあって、正直読んでてあまり快いものではない。
悠樹くんが女装させられ辱められたりするのを喜んでられるような気分にはさすがになれず。
それでも、物語の端々でふと垣間見せる心理描写や印象的な情景描写に引っ張られながら最後まで読まされちゃいました。
通常のJポルノ系文庫なら2冊半はある分量なだけあって、物語性もじゅうぶん堪能。
こういう作品もあるんだなあ。
悠樹と可奈子、弟と姉の、2人の微妙な心のふれあいとすれ違いが…、せつなくて良かった。


感想リンク:
元さん
第弐齋藤さん
深川拓さん

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