「くノ一夜伽話 この印籠が目に入らぬか?」 綾守竜樹 (二次元ドリーム文庫)

タイトルやあらすじからてっきり百合系くノ一コメディなのかと思って読み始めたら、良作のガールミーツガールになっててびっくり。
眼鏡っ娘主人公とボクっ娘くノ一、過去の心の傷がために頑なな生き方をしていた2人の少女が、体と心で触れ合うことで共に再生していく…。
エッチはすべて女性同士、互いの体温のあったかさと快感によってもたらされる幸福感が彼女たちの心の隙間を埋めていく、という流れがとにかく綺麗。
レズビアン描写も結構な量があるんだけど、いい意味でポルノとしてのやらしさが全然感じられない。
周囲を突き放したような生き方を選ぶ美由樹が抱えていたもの。
くノ一頭領として育てられた薊が求めていたもの…。
Jポルノでこんなに愛情と癒しにあふれた物語が読めるとはなあ。
これはもう”傑作”認定してもいいでしょう。素晴らしかった。
百合もの好きな人には超オススメ。


感想リンク:
元さん
秋山真琴さん
こぼさん
「百合こころ」
「百合に至る病」


他作品感想:
「座敷童の掟」