「幸せをつかみたい! サーラの冒険5」 山本弘 (富士見ファンタジア文庫)

新たに仲間になったドワーフ戦士のメイガスが持っていた宝珠の在処をしめす地図。
そこに記されていたのは、サーラが冒険者を目指すきっかけになったキマイラの迷宮であった…。

これまでの1〜4巻が「サーラの冒険」という大きな物語の「起」と「承」とするならば、今回は「転」。
冒険者となり1年、デルと出会い愛を知り、肉体も心も着実に成長してきたサーラが、故郷の村と迷宮の奥で出遭うものとは…。
うわあああ、後半の怒涛の展開は凄いなあ。
これまでに語られたお話と今回のお話、かけられた呪い、ヒーローになりたいという夢、仲間との信頼、デルの暗黒神崇拝、サーラとデル2人の愛…、
それらが複雑に絡み合いながら呼び起こしてしまう衝撃的なラストには言葉もありません。傑作。
2年ほど前、ソードワールド好きの知人と「サーラの冒険は面白かったねえ」「続き出して欲しいなあ」「えー、もう無理でしょ」
なんて語り合ったりしていたのだけど、続き出てくれてホント良かった。
次の最終巻、1年以内に出すという作者のお言葉、超信じますからねっ。