「ハイブリッド・ソウル そして、光の中を」 松田朱夏 (富士見ミステリー文庫)

表具師見習いの竜介に持ち込まれた相談は、古い奇妙な掛け軸の謎を解いてくれというものだった。
掛け軸を受け取りに出向いた竜介は、依頼者である薫と若葉の複雑な家庭事情を垣間見ることに…。

愛憎渦巻く旧家の事情を背景に、事件が起こったり死人が出たり。
読む前に思っていたよりもずっと血生臭い話になってしまってて、ちょっと意外だった。
初っ端から妖し気な雰囲気を漂わせている異人さん(クリス)の存在が微妙なんだけど、
そのへんの設定や超展開がある意味ミステリ部分のレッドヘリングとして機能してるあたり、なんとも評価に困るなあ。
時計の針を4年ぶんくらい巻き戻したような、初期の富士見ミステリー文庫でちらほら見かけたような”微ミステリー”といった感じの作品。
ライトノベル的魅力はいまひとつ。一番かわいい(ような気がする)眼鏡っ娘の出番が少ないのが残念。